戦略で再現性あるヒットを生む。TENTIAL事業責任者が語る“勝てる武器”の磨き方 Buddy

戦略で再現性あるヒットを生む。
TENTIAL事業責任者が語る“勝てる武器”の磨き方

プロフィール

塩野 清雅

2021年に株式会社TENTIALへ入社。 オフライン部門の立ち上げを担当し、新規チャネル開拓や直営店舗の設計・運営体制の構築など、グロース全般をリード。2023年には人事部へ異動し、責任者として採用・採用広報・人事企画・組織開発を統括。2024年より再び事業部へ戻り、主力プロダクトであるリカバリーウェア「BAKUNE」をはじめとしたSleep事業の責任者に就任。中長期の事業戦略策定、短期的な実行管理までを一貫して担っている。

ヒット商品は「偶然」ではなく、「戦略」から生まれる。TENTIALのSleep事業部でリカバリーウェア『BAKUNE』を手がける塩野さんはこう語ります。

スタートアップで事業をつくるということは、未知の市場に仮説を立て、検証し、仕組みに落とし込んでいく連続のプロセスです。塩野さんは、プロダクトの立ち上げ初期から現在に至るまでの過程をリードするなか、ヒットを「偶然」ではなく「戦略」で導き出す方法を見出してきました。

再現性のあるヒットを生み出すための考え方、戦略、組織のあり方とは。そして、TENTIALという環境で挑戦を続ける“おもしろさ”とは。塩野さんにじっくり伺いました。

ヒットの裏には、消費者インサイトと“タイミング”の読みがある

――まずはTENTIALに入社された経緯を教えてください。

塩野:2021年に新卒でTENTIALに入社しました。学生時代はVCでインターンをしていて、そのなかでスタートアップの面白さや可能性に強く惹かれるようになりました。自分はもともとスポーツの経験があり、BtoBよりも、健康やコンディショニングといったテーマでBtoCに挑戦したいと考えていました。

TENTIALを選んだ決め手は、代表の中西さんと話す機会を通じて、スポーツへの向き合い方やビジネスへの考え方に強く共感できたことです。「ここなら本気でチャレンジできる」と思えたのが大きかったですね。

――入社当初はどんな役割を担っていたのでしょうか?

塩野:当時のTENTIALは社員が15名ほど、売上も1〜4億円というフェーズで、まだまだこれからという段階でした。自分に与えられた最初のミッションは、「オフラインの売上をつくること」でした。ECが中心の中で、直営店や販売店での展開はゼロ。そんな中で「実際に商品を見たい」「触って確かめたい」といった声が、問い合わせ全体の6割を占めていたんです。

そこから、「オフラインの接点をつくれば、検討層の購買が進むはずだ」という仮説を持ち、社内に直営店出店を提案しました。

――戦略を立てる上で、特に意識しているポイントは何ですか?

塩野:やはり一番は「タイミング」です。どれだけ良い戦略でも、早すぎても遅すぎても成果にはつながりません。他社の成功事例を見ても、「いつそれをやったのか」が非常に重要だと感じます。僕ら自身も、CMの放映や店舗出店のタイミングについては、社内で何度も議論を重ねながら、「今、本当にやるべきか?」を徹底的に考えるようにしています。

また、短期と中長期のバランスも常に意識しています。短期的には「どうやって売上を伸ばすか」という視点で、KPIベースで戦略を立てますが、それだけだと長続きしません。中長期では「ブランドとしてどう見られたいか」「どんなポジションを築くべきか」という視点が重要になります。これは数値にしづらく、判断が難しい部分でもあります。しかし、そこを見据えた意思決定こそが、ブランドの信頼や持続的な成長につながると考えています。

「勝てる武器」をつくる。再現性ある開発プロセスの設計

――TENTIALのヒット商品「BAKUNE」は、どのようなプロセスで成長していったのでしょうか?

塩野:率直に言えば、すべてが計画通りに進んできたわけではありません。BAKUNEに限らず、新しいカテゴリの商品を世に出すときは、見えない部分も多く、手探りの連続です。それでも一貫して意識しているのは、「勝てる武器」をいかに戦略的に設計し、仕込めるかという視点です。

BAKUNEの場合、立ち上げ当初の強みは「血行促進による疲労回復」という機能訴求でした。確かにそれは大きな価値でしたが、同じような機能をうたう競合商品も次第に増えてきて、「このままでは中長期の差別化にはならない」という危機感を抱くようになったんです。

そこから、「疲労回復」だけにフォーカスするのではなく、「そもそも睡眠の質を高めるには何が必要か?」という、より本質的な問いに立ち返るようになりました。

――血行促進だけに依存しない方向へ、軸を広げていったのですね。

塩野:そうです。いくら血流が良くなっても、たとえばパジャマの素材が蒸れて寝苦しかったら、途中で目が覚めてしまいますよね。すると当然、疲労回復の実感は薄れてしまう。つまり、快眠には血流だけでなく、寝床内の温度湿度、肌触り、寝返りの打ちやすさといった複合的な要素が欠かせないということに、あらためて気づかされたんです。

今は「快眠に最適なウェアとは何か?」という問いに対して、科学的な根拠とユーザー体験の両面から向き合い、開発を進めています。

成功は仕組みに落とせる。テンシャル流・事業開発の型

――TENTIALでは、ヒットを“再現”するために、どのような仕組みをつくっているのでしょうか?

塩野:もっとも重視しているのは、「消費者インサイトに基づく商品開発」と「データに基づく改善」を掛け合わせることです。TENTIALはアパレルの会社でありながら、データドリブンな文化が根づいているのが大きな特徴だと思います。

たとえばオンライン販売の領域では、広告のクリック率やページ離脱率といったKPIを常にモニタリングしています。どこで興味を失っているのか、どの訴求が響いているのかを短期間で検証できるので、施策の改善スピードが非常に速い。仮説→検証→実行のサイクルを1週間単位で回すことができる体制が整っています。これは従来のアパレル業界ではあまり見られないアプローチだと思います。

――確かに、アパレル業界では珍しいですね。

塩野:実際、TENTIALの経営メンバーや事業責任者には異業種出身者が多く在籍しています。データ活用も、単に売上やCVRを見るだけではありません。「どの機能が購買の決め手になったのか」「どの訴求がユーザーに響いたのか」といった“感情”や“動機”に踏み込んで検証しています。こうした定量・定性の両面から得た知見が、次のプロダクトや施策にダイレクトに活かされています。

――まさに“再現性のある事業開発”ですね。

塩野:そうですね。再現性を担保するために、特に力を入れているのが「市場予測」です。TENTIALが挑んでいるヘルスケア・ウェルネス領域は、まだ市場が成熟していません。だからこそ、我々自身が成長をけん引する存在にならないといけない。

市場が成熟しきる前に、高付加価値領域でポジションを確立しておく必要があります。そのためには、競合動向や消費者の動きだけでなく、世の中のトレンドを広い視点で読み解き、3年後・5年後を見据えて動くことが欠かせません。

ヒットを生み出す人を採用する。チャレンジの現場はここにある

――今後、TENTIALとしてはどのような事業展開を目指しているのでしょうか?

塩野:これから数年の間で、新たな事業や商品の立ち上げ数は大きく増えていく予定です。つまり、TENTIALはいま、単発のヒットを狙うフェーズではなく、複数の事業を同時並行でスケールさせていく段階に入ってきています。

その中で一番大きなテーマになるのが、「事業をつくれる人材」をどれだけ増やせるか。今、自分の業務の多くは採用に割いていますが、これはそれだけ「誰と成長をつくっていくか」が重要なタイミングにあるということです。

――塩野さんが考える、TENTIALで活躍できる人材とは?

塩野:何より大切にしているのは、「徹底した消費者目線を持てるか」です。どれだけ知識や経験があっても、最終的に“お客さんが欲しいと思うモノ”をつくれなければ意味がない。

もうひとつは、どれだけプロダクトに熱量を注げるか。自分自身の理想や問題意識を持ち、徹底的にそのテーマを深掘りできる人かどうかですね。面接の場でも、「その領域について5回深掘りしても答えられるか」を見ています。本当に考え抜いている人は、どんな分野でもいいプロダクトをつくれると思っています。

――事業開発に挑戦したいと考える求職者へ、メッセージをお願いします。

塩野:TENTIALは、誰もが挑戦できる“打席の多い会社”です。大手企業だと、新商品は年間で1〜2個というのが一般的ですが、僕らは10個以上の新規プロダクトを同時に仕込もうとしています。それだけ多くの挑戦機会がある。これは、成長を目指す人にとって非常に魅力的な環境だと思います。

もちろん、すべてがうまくいくわけではありません。でも、挑戦し、失敗し、それを糧に次へ進むという文化が社内に根づいています。「自分の手で事業をつくりたい」「マーケットに新しい価値を届けたい」──そう思っている方には、これ以上ない環境だと感じています。